北京の大気汚染は他人事ではない

「北京秋天」は単に「北京の秋」という意味。しかしながら我々は、北京の青く澄んだ秋の空をイメージする▼田中角栄首相が日中国交回復交渉のために北京を訪れた41年前の秋、ある新聞は「北京の空はどこまでも青く澄んでいた」と、空港に降り立った一行を描写した。当時の東京の空と比較したのか?▼ところが最近、北京をはじめ中国の大都市は大気汚染が激しく、車は昼間からライトが必要なときもあるほど。激しい日は、学校の緊急閉鎖、乗用車の使用禁止、屋台の閉鎖などの措置が取られる▼国際ガン研究機関(IARC)がこのほど、大気汚染の発ガン性を初めて認定した。健康への影響が心配される。その代表、微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が北京で基準値の5倍を記録した▼偏西風は西から東に吹く。日本は風下の東側。影響が懸念されるところだ。冬になると暖房を使用するし、偏西風も強くなる。秋以上に汚染物質の飛来が懸念される▼もはや中国の大気汚染は、福島原発の汚染水漏れによる海水汚染同様、一国だけで済む問題ではない。わが国と中国の関係は領土問題で冷え込んでいるかも知れないが、地球環境対策では協力が不可欠だ。