責任転嫁の食材偽装会見 業界も他山の石ではない

「誠に申し訳ありませんでした。メニューとは異なる高額な食材を使っていました」というような謝罪会見を一度、聞いてみたいものだ▼阪急阪神ホテルに端を発した今回の食材偽装事件。他の著名ホテル、百貨店などに野火のように飛び火した。すべて、表示食材より低価格のものを使っていた。コスト削減のための偽装だったことは明らかだ▼信用失墜と信頼回復のための謝罪会見も見苦しい。「(我々は)知りませんでした」と、まず自らの責任を回避、続いて偽装の経緯を述べ、責任を担当者や部署といった〝部分〟に押し付ける。その上で管理責任が十分でなかったことを詫びる。お決まりの筋書きだ▼企業防衛に終始する姿しか窺えず、だました消費者へは返金などの処置だけで、あまり悪行を働いたと感じていないように見える。企業を死守することが企業コンプライアンスのすべてだと考えているかのようだ。だったら大きな間違いだ▼コストを意識することは大切だが、コスト第一主義の体質そのものを変えなければ、ほとぼりが冷めたころにまた同じ問題を起こす。高級料亭、船場吉祥の偽装事件が発覚したのは2007年9月だった…▼繊維業界でも偽装事件が起こった。他山の石ではない。