個人の心の爽快感を求めて、日本を戦争の危機に陥れるな

 世論が右傾化して、日を追ってキナ臭くなってきているような気がする。国内の第二次世界大戦敗戦の屈辱を晴らそうとする勢力の台頭と、近隣諸国が経済的に台頭し、民族意識が高まったことが原因だ▼NHKの籾井勝人会長は25日の就任記者会見で、従軍慰安婦問題などで、ヨーロッパまで巻き込んで相手国が不快感を抱くようなヘイトスピーチを発信した。不快感を抱くスピーチを行うと、必ずそのお返しがある。さらに嫌悪感を募らせることになる。悪循環が続く▼その根源はすべて、1945年に終わった第二次世界大戦までの歴史にある。20世紀前半までの戦争はほとんどが、帝国主義的領土拡大の野心を持った侵略国家間の利害衝突。日本は敗れ、サンフランシスコ講和条約を結んだ▼もはや過去の歴史にしなければならない。戦争を知らない世代の時代になった今、年寄りが若者を煽り、対外的に相手が嫌がることをわざと声高に発信するのはいかがなものか▼屈辱などというものは個人の思い。それを権力者が国全体の思いのように発信するのは国家を危機に陥れる行為だ。自身は愛国者と思っているようだが亡国の徒に過ぎない。